どうもみなさん、おはこんばんにちは。
先日CA既卒採用の選考が行われましたね。感触はいかがでしたか?
中には最終選考まで進み、既に結果待ちという方もいるんじゃないでしょうか。
恐らく気になって気になって仕方なくて、きっと何も手に付かないんじゃないかと。でもあまり期待せずに待ちましょう、期待していて落ちるとしばらく立ち直れないですから(笑)
一方、1次2次で落ちてしまった方、むしろ落ちた方の方が多いはずですが、なんで落ちたんでしょうか。フィードバックが得られるわけではないので確たる理由はわかりませんけど、ここがダメだったかなーとか思うことないですか?
傷口に塩を塗る様ですが、きちんと振り返らないと面接力は向上しません。
面接はただ経験するだけも場慣れという点では意味ありますが、どうせやるならただ闇雲に受けるよりも何か一つでも持ち帰って欲しいと思います。
かく言う私も今回の既卒採用で面接官として担当させて頂きましたので、その内容を振り返りたいと思います。「あー、こうやっちゃダメなんだ」是非そういう視点で見てください。
そのために包み隠さず本音で書きますので。
振り返り①:面接官とのコミュニケーション不足
まず全体的に感じたのは、あまりにも準備不足であるということ。準備していないのか考えていないのかどちらかわかりませんが、何を質問して良いか全くわかりませんでした(汗)
面接で何を聞かれるか、それに対して完璧に答えようという意識が強すぎて、面接官とのコミュニケーションを完全に忘れてしまっています。
質問したことに対して端的に回答出来ていないばかりか、なんとか自分が準備してきた内容、アピールしたい内容に紐づけようといういやらしさを強く感じ、結局何が言いたいのかわからなくなってしまうケースがとても多い。
はっきり言いますが、そんなんじゃ100回やっても受かりませんし、通過出来ても1次面接まで
CAの1次面接って集団面接であるケースが多く、一人あたりに割ける時間が少ないので何となく誤魔化すことは可能。でも2次になると個人面接になるので、20-30分ガッツリ質問され深く掘り下げられます。だからそこでボロが出る。
聞かれたことに対して端的に回答する、そのために話す内容をきっちり整理し順序立てて話す、そういう社会人としての基本的なことが出来ていないと、中々合格は難しいと思ってください。
ましてや今回は新卒採用ではなく既卒。経験年数の違いはあるものの、少なくとも1年2年の経験があるわけですから、面接官はそういう目で見ています。そのあたりは当たり前にできるようにしておきましょう。
面接は面接官との会話のキャッチボール
今回面接を行いながらふと思ったんです、自分は一体何をさせられているんだろうって。
なんだろう、受験生の決意表明みたいな感じになっていて、何も聞くことがないんです。例えば、これまで力を入れて取り組んだことは何ですか、と質問したとします。
そうすると、約2-3分にわたって、力を入れて取り組んだこと、プロセス、最終的にどうなったか、どう活かしていきたいか、自分の長所、これら全部まとめて延々と話されるんです。
そうなってしまうと、もう聞くことはないんですよね。「あーそうですか」で終わっちゃう。
何のための面接か。
社会人として働く上ではコミュニケーション能力が大事とよく言いますけど、システムエンジニアや個人事業主でもない限り、必ず誰かとコミュニケーションしながら仕事を進める必要があって、そういう能力を有しているか、面接はそれを確認する場なんですね。一方的なアピールで良いのであれば、何も面接なんて行う必要はなく、動画で応募してもらって評価すれば十分。
キャッチボールの意味を考える
私も長く野球をやっていたのでよくわかるんですが、例えば野球で考えてみます。
キャッチボールって、取って投げるという野球に必要な一連の動きを流れの中で練習することを目的としていますが、これって、相手がいて初めて成り立つものですよね。
自分のことだけ考えれば良いんだったら、何もキャッチボールじゃなくて壁打ちしてればいいんです。でもなんでわざわざキャッチボールするんでしょうか。
相手の取りやすい位置にボールを投げる、相手が取りやすいスピードで投げる、そういう相手のことを考えてボールを投げることに意味があるからです。
お互い何も考えず思いっきり投げてたら相手が取れないことがあるし、好き勝手投げて暴投ばかりだったら練習になりませんよね。
仕事も全く同じ。仕事って基本的には人と人のコミュニケーションがあって初めて成り立つものであって、自分一人の力じゃ何もできないことがほとんど。
自分の言いたいこと・やりたいこと、そういう欲求を一程度抑え、相手の状況や立場を考えながらコミュニケーションする意識を持つことが大事。特に、自分の欲求を抑えることがポイント。
CAなんて最たる例で、クルーコーディネーションという言葉がある通り、お客さまとのコミュニケーションの前に、まずは仲間とのコミュニケーションが必要。そこでつまづいちゃうと、お客さまとのコミュニケーションなんて出来るわけないので、まずは仲間同士でコミュニケーションをしっかり取り、最高のパフォーマンスを出すことが必要です。
面接も全く同じ。面接で出来ないものは仕事でも出来ません。面接はそういうところを見ています。
相手が受け取りやすい回答をしてあげる
面接はコミュニケーション能力があるかということをすごく大事にしていて、コミュニケーション能力があるかないかを図る手段として、質問に端的に答えられているか、ちゃんと面接官が質問しやすいようなボール(回答)を投げているか、投げようとしているかを見ています。
新卒と既卒の違いは、新卒は相手が取りやすいボールを投げようとしているかという姿勢を重視、既卒は取りやすいボールが実際に投げられるかという実績を重視しています。
でもこんなこと、いきなり上手くやれって言われても出来るものじゃない。だから場慣れが必要なんです。緊張するし。
どういう話の組み立て方をすれば面接官が納得するか、そういう効果的なプレゼンテーション方法の模索も大事ですが、どの程度の返しが適切か、どういう話し方をすれば相手が質問しやすくなるか、こういう面接におけるコミュニケーション能力を磨くには、実践経験が重要になります。
コミュニケーション能力があるとは?
コミュニケーション能力があるということと、コミュニケーションが取れるは意味が違います。
コミュニケーションが取れる=日本語が話せるなら基本的に誰でも出来ます。
ここで言うコミュニケーション能力って、相手の立場・意向を考慮し、自分の欲望を抑えつつ互いに程度譲歩し合いながら会話を繰り返すこと、個人的にはそう思っています。
カギになるのは、自分の欲望を抑えつつ、というところ。
「会話のキャッチボール」はよく聞く言葉ですが、端的という言葉を勘違いして、質問に対して結論しか言わない人をよく見かけるんです。
例えば、
受験生「大学時代のサークルです。以上」
これじゃあ会話ではなくただのクイズ。
ある程度結論と内容を端的に話し、相手の突っ込む隙を残しておくこと、相手が突っ込みたくなるような隙を作っておき、きっちり質問させてあげる。
しかも、自分はそれに対してちゃんと準備しているから、ちゃんと答えらえる。(理論武装ってやつですね)
隙を作るって言ったら小難しいんですが、敢えて詳しく言わないっていう自制心かな。なんで?て聞きたくなるようにしておくこと。
さっき「質問に答えず、自分が準備してきたことに紐づけたがる」と言ったのも、これが理由。受験生と面接官がお互いに相手が話しやすいように気を配るからこそ会話のキャッチボールって成り立つと思うんですよね。
そういうことが出来る人こそコミュニケーション能力があると思っていて、そういう人はすごく評価したくなります。
コミュニケーションって、少しでも違和感を感じると評価に繋がりませんし、なんかこの人とはスムーズにコミュニケーション取り辛いなあって人は、採用されません。
面接官との会話のキャッチボールを意識していれば、決してESの朗読なんてするはずがありませんし、話す内容を丸暗記しようなんて発想にならないはずです。
ここは是非意識して欲しいポイントになりますので、多くの面接を経験し、磨いてください。
振り返り②:型にはまった人格
今回私が担当した約150名ぐらいの受験生に多く見られたのは2パターンあって、
一つは今お話ししたコミュニケーション不足、もう一つは完全な型にはまった典型的なエアラインスクール出身の人たち、若しくは就職本や誰かの受け売りをそのまま実践してしまった人たち、この2パターン。
これまで何度か言っていますが、入室から退出まで、過度なアピールをされる方が多く、自分らしさを感じないことがすごく多い。
我々面接官としては、良くも悪くもあなたらしさを知りたいのであって、作り上げられた姿を見たいわけではありません。普段絶対そんな人じゃないでしょ(笑)て思うこと多いですもん。
少なくとも私の会社は、そういう過度なアピールを良しとしていませんし、協調性がないという評価を下します。そういう人はすごく目立つので、特に注意してください。
型にはまった人格にならないために
結論としては、あまり他人を気にしすぎないようにしましょう。人は人、自分は自分。自分に自信を持って、他人のことは気にしない。
よくエアラインスクールがネットか何かで「JAL/ANAの客室乗務職ダブル合格!成功体験談!」みたいなインタビュー記事をやっていますよね。
断言しますが、99%参考になりません
面接は料理と同じ。どれだけ材料や分量をわかっていても、有名レストランの味は絶対に出せません。たまに有名店のシェフがレシピやら工程やら全部さらけ出す人がいますけど、「どうせマネできないから」て言ってますよね。
味を決めるカギは、そういうところとは違う部分。火を入れるタイミング、火を切るタイミング、調味料を入れるタイミング、混ぜる時間、焼く時間、材料・調味料を入れる順番等々、味を決めるカギはこういう部分で、何を材料として入れるかというばかりが大事なわけではありません。
仮にJAL/ANA二つのエアラインに合格した人から、志望動機はこう答える、自己PRではこう答える、これを聞いただけで合格できると思いますか?
その人が成功したのは、作りたい料理(アピールしたい内容)がはっきりしていて、自分に合った経験で上手く自分らしく料理出来たからに過ぎません。
その人の材料を使って料理しようとしても、元々鍋のサイズは違うし、持っている経験も違います。どんな味ですか?て聞かれて、おいしいですって答えるだけなら、さっき言った通り面接はいらないんです。
面接は誰かの受け売りで乗り切れるような安易なものではありません。
自分という素材を自分らしさの溢れ出た具体的なエピソードで料理してあげなければ絶対に合格はあり得ません。間違ってもそういう成功体験談を鵜呑みにして、そのまま実践しようとしないでください。絵に描いた餅感がすごくて、面接官はあなたを間違った目で見てしまいます。
すごく色白で線の細い人が、私は体力が自慢です!と言ったところで、にわかには信じられません。その面接官の疑問を乗り越えるには相当のエピソードが必要だし、かなりのエネルギーを要します。
よくありがちな間違いですが、ファッション誌に取り上げられた格好をそのままプライベートで着るとかなり浮いてしまうことが多いですが、あれと同じ。
あれはモデルだから似合うんであって、みんながみんな似合うわけではありません。
残りの1%
1%て言うと極端ですが、そのぐらいの感覚で参考になるのは「へー、そういうこともあるんだ」というだけの問題。何も知らないよりは、少しでも情報があることで咄嗟の対応が出来ることはあります。
そんなこともあるんだ、そうやって1分でも考えるだけで、面接で困った質問をされたときになぜか思い出して上手く切り抜けられたってことが経験上あります。
多くの経験談を聞くことで自分の中で引き出しを増やし、その時々に合わせて引き出しからネタを引っ張り出すという点では意味があると言えますね。
あと、失敗談は参考になるので見ておきましょう。
とりあえず今回は一旦ここまで。
次回また続きをお話しします。