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【現役面接官が教える】CAに必要な素質とは?

CA

どうもみなさん、おはこんばんにちは。
今回は、面接でもよく聞かれることの一つである「CAに必要な素質」について話していきます。皆さんとは少し視点が異なるかもしれませんが、参考にして頂ければ幸いです!

【面接官が教える】受かるエントリーシートの書き方講座①

CAという仕事を理解する

CAとして必要な素質について話す前に、まずはCAという仕事を理解することから始めましょう。CAを志望する方にとっては愚問かもしれませんが(笑)

CAの仕事は担当するクラスによって様々

ご存知の通り、客室乗務員というお仕事は機内でお客さまに対してサービスを行う、これがメインの業務です。それぞれ搭乗クラスによって内容は異なりますが、国内線エコノミーであればドリンクサービス、ファーストクラスであればドリンクに加えミールサービス、エコノミー・ファーストクラス共通として機内販売があります。
一方、国際線となるとクラスに関わらずドリンク・ミールサービス、機内販売、ビジネスクラス以上になるといつでも好きな時にオーダー出来るサービスもありますね。ドリンクやミールはチョイスはあるものの、サービスすればそれで終わりですが、機内販売はちょっと違って、しっかりお客さまの目に留めてもらう必要があります。
保険や証券みたいに売り込んでいくことはしませんが、機内販売はエアラインの収益の柱の一つなので、しっかり販売しなければなりません。そのためには、商品知識を備え、お客さまから商品について聞かれれば正しく答えられなければなりませんし、上手くコミュニケーションも必要です。
これら以外にもわけのわからない要求もあったりするので、本当に大変だと思います(笑)

もう一つ、CAとして大事な職務があります。それは何でしょう?

緊急事態に備えた保安要員として

絶対にあってはいけない・起こしてはいけないことですが、万が一片方のエンジンが停止し海上に不時着しなければならないとき(略してDD、Ditchingと言います)、お客さまを落ち着かせ、衝撃防止姿勢や救命胴衣の付け方、DDしてからのディレクションなどを限られた時間で行わなければなりません。CAはパイロット同様、何百ものお客さまの命を預かっているので、愕然としている場合ではないのです、残念ながら。だから客室乗務員は大変厳しい訓練を行いますし、保安要員としての訓練は最初受ければそれで終わりではなく、全客室乗務員が必ず年1回受講しなければなりません。

CAは1年に1回、緊急事態に備え定期的にパイロットと合同で訓練を実施

お客様にサービスするだけじゃないんですよね、客室乗務員って…一見華やかな仕事、事実華やかではありますが、緊急事態の際は人名を救う大きな役割を担っています。
ある意味、パイロットやCAは何があっても逃げることが出来ません。パイロットは最後の最後まで安全に着陸出来る努力を、CAはお客さまへの具体的な指示を行う必要があります。

客室乗務員の役割

①ドリンクや食事、機内販売を行う接客サービスとしての役割
②万が一のときに備えた保安要員としての役割

CAは緊急事態に備え十分な訓練を行っていますが、どういう訓練を行っているか、その内容についてはまた別の機会にしましょう。

「CAに求められる素質は?」という質問の意図

これ、面接でたまに聞かれることありませんか?実際私も良くこの質問をするのですが、質問する意図は主に以下3つ

受験者の志望度を確認したい

当たり前な理屈ですが、それだけ客室乗務員になりたいなら、客室乗務員がどういう仕事でどういう能力が求められるか調べてますよね、或いは自分なりの考えがありますよね?ということ。
サービスをする人というのは誰でもわかる、保安要員としての役割について抜ける人が結構多いのでここは押さえておいたほうが得策ですが、基本的には正解不正解は関係ありません。
教科書通りの回答をしてくる人もいますが、それでは評価材料にはならず可もなく不可もなくな状態。自身の経験・エピソードを交えながら熱を入れて話してくれる方はもちろん高評価です。

記念受験を振るい落とす

CAって、確か日本の女性における憧れの職業第1位ですよね?それだけエントリー数も多いのですが、記念受験をESで落とすのも限界があって、その振るいに懸けられなかった人を落とすための質問でもあります。ちょっとあまり楽しくない不快な話なのですが、ここはリアルな実情をお話するため、包み隠さず書きます。

流れとしては、

①CAに求められる素質は?という質問

②答えられない、若しくはしどろもどろで「纏まってなくてすみません」等の発言が出てしまう

③落とす

④記念受験だったし、まともに質問に答えられなくても仕方ないか!という諦めを持ってもらう

⑤受験したエアラインを嫌いにならず、今後も搭乗してもらえる

エアラインに限らず、対お客さまサービスを行っている会社は、基本このように考えます。要は、嫌われたくないんですよ。単純にあなたはウチの会社に入れないけど、ウチのこと嫌いにならないでねってこと。
面接は受かるか落ちる、そのどちらか。受かればいいですが、落ちたら凹みますよね。ただ凹んでくれるだけなら良いんですが「なんで落ちたんだ!」「完璧にアピール出来たのに落ちる理由がわからない!あの会社嫌い!」なんて思われると、会社としてとっても困るんです…対お客さま商売は特に。今どきはSNSが流行って変な噂流されても困りますし…
だから基本的にCAの面接、というか総合職を含むエアラインの面接では、落ちて嫌われたら困るので圧迫面接は行いません。ということもあり、こういう本当にCAを志望している人にしか答えられない質問をすることによって、受験者側に諦めの気持ちを持たせ、会社を嫌いにならずに退場して頂くというのが目的です。酷いですが仕方がないんです。

エアラインは、基本圧迫面接なし!

勉強の成果を発表するチャンスをあげて、満足感を持ってもらう

面接に落ちる人というのは、何も記念受験ばかりに限らず、客室乗務員としての資質に欠ける、若しくはウチの社風に合わないという理由から落ちるのがほとんどですが、不完全燃焼で面接を終わるよりも、勉強の成果を出し切らせてあげて、満足感を持って終えてもらうという目的もあります。
これも「記念受験を振るい落とす」と同様、やっぱりエアラインなんで嫌われないようにするための策です。勿論それが逆方向に感情が動いて、あれだけ完璧に話せたのに!という場合もあるのですが、それはその受験者に応じて使い分けている感じですね。

ポイント

①面接官がどういう意図を持って聞いているか考えてみよう
②面接官の意図を把握しないと、面接官の求める回答をすることは出来ず、結果評価を得られなくなってしまう可能性がある
→媚びを売るわけではないが、選考のゴールは採用されること。自己流を貫くより、相手を分析し戦略的に取り組むほうが余程合理的
③自分の素直な考えを言うだけでは、面接通過の確率は下がってしまう

CAに求められる素質について

長く引っ張りましたが、私なりの回答・正解を書きますね。私が面接官だったら、以下の点を心得ていると、活躍してもらえそうだなと思います。綺麗ごと抜きで、CAの実情を知っているような気がして。

なんだかんだ言ってやっぱり体力が大事

いきなり体育会系みたいなこと言いますが、やっぱり最も大事な素質は「体力」です。
CAの数は、JAL/ANAで大体6,000-8,000名ぐらいいます。めちゃくちゃ多いやん!と思うかもしれませんが、大手になるとそれだけ路線が多く、勤務制限もありますのでむしろ人手不足なのが現状。
ましてや来年には東京オリンピックがあるので、JAL/ANA共にどんどん人を採用しています。そんな中、体力が続かない、疲れた!という理由で休まれたり辞められたりするのは困るので、CAの採用では「体力」が一つのポイントになることは冗談でも何でもありません。

精神的にタフであること

これもめちゃくちゃ大事。想像できると思いますが、CAは女社会です。年齢も大事ですが、一日でもCAとしてのキャリアが長い人がエライ!という世の中。
陰口、悪口、厳しい指導、なんでもあります。そんな中でも辞めずに堪えて続けられる、それくらいの精神力が本当に大事。良い人ばかりではありません、どうしようもなく嫌いな人とフライトしないといけないときもありますし、そういう人と海外でステイしないといけない時もあります。ステイ先ではみんなで飲みにも行きますし、それを断ったら付き合いが悪いと言われるし、そんな中でも続けられるぐらいの精神力が必要。
身内だけならまだいいですが、お客さまにだって嫌な人、変な人が多いのも実情です。事実、エアラインには要注意人物リストもありますからね。そういうお客さまから何を言われてもサラッと流せるくらいの精神力がないと厳しい。
これがないとCAとして長く活躍出来ないといっても過言ではありません。

表情が豊かであること、そしてTPOに適した表情管理

可愛い子は笑っていれば良い、なんてことを聞きますが、CAはそれではいけません。お客さまは必ずしもスケベじじいばかりではなく、色々なお客さまがいらっしゃいます。例えばお客さまの中には、遺影を抱えて乗っている人もいますし、その横にはハネムーンの人だっています。遺影を持った人に笑顔で接する、それはそれで考え方次第でアリかもしれませんが、普通何か寄り添いの言葉を掛けますよね?一方、ハネムーンの方には普通祝福しますが、お葬式みたいな無表情で話しかけませんよね?TPOをわきまえ、お客さまに即した表情管理ができ、寄り添った接客が出来ることが大切です。能面みたいな仏頂面は絶対だめ。

面接で「最近あった面白かったことは?」「最近怒ったことは?」「最近大笑いしたことは?」なんてことを聞くのも、ある種これに関係しています。
その人の価値観・判断基準を知るためという理由もありますが、この人はよく笑い、よく泣き、よく怒っているか。そういうところから、、お客さまの気持ち・感情に寄り添ったサービスが出来るか、そこを見ています

チームプレーが出来ること

フライトは自分一人では飛ばせません。多くの人の仕事が積み重なって初めて実現出来るものですが、それを理解し、感謝しているか。また、どんなに嫌いな人と一緒になっても、仕事を放棄するわけにはいきませんよね?嫌いな人と一緒であっても、仕事と割り切っていつものパフォーマンスが出せるか、或いはそういう時に個人プレーに走ることはないか。
面接でもチームに成し遂げた経験は?なんて質問されることが多いと思いますが、大体こういうことを確認しようとしています。

感知力が働く

お客さまサービスなので言うまでもないことですよね。ただ、何でも受け入れるというわけではなく、時々理不尽な要求をしてくる輩もいますので、そういうことに対しては毅然とした対応が求められます。
人によっては女性と話しにくい、ドリンク欲しいけどウザいって思われるかも、そういう潜在的なお客さまのニーズをお客さまの態度や表情から感じ取り、実際にアクションを起こせるか。
アルバイトや前職でそういう経験があれば、そこをアピールポイントとして自己PRで話し、CAへの適性をアピールするのも良いかもしれませんね!ここがアピール出来れば、一歩踏み込んだサービスという面で強い。
言われたことが出来るのは当たり前、人が気づかないことに気づき、見て見ぬフリをせずちゃんとアプローチする、そこに価値があるんです。

チームプレーはもはや陳腐化?

チームプレーはCAとして必須な素質の一つですが、もはや誰しもそれはわかっていて、必ずと言っていいほどチームで成し遂げたことをアピールします。確かにチームは大事なんですが、ここは敢えて視点を変えて、自分とお客様との間のコミュニケーションに着目してみるのはどうでしょうか。上記の様な「感知力」というのは最も良い例で、相手のどういうところを自分は見て、どういう仮説を立てて行動したか。
チームプレーはもはや陳腐化していて出来て当然の素質なので、何も高評価に繋がりません。

最後に…

これまでの経験上、CAに必要な素質は何ですか?という質問に対し、上記のような回答をしてきた人は誰一人いません。
大体が常に笑顔で対応、ベストなサービス、最高なサービスと良く言われますが、どれも教科書に書いてるような内容、かつツッコミどころ満載で自分で何も考えていないことがバレバレです。
CAに必要な素質は何か?という問いに対しては、CAの仕事内容をよく理解した上で、自分だったらどういうCAに接客してもらえると嬉しいか、あらゆるシチュエーションに置き換えて自分ごととして考えてみましょう。

これからの面接で「CAに必要な素質」について聞かれたとき、これらのことを是非意識して回答してみてください。
面接官のあなたを見る目は、きっと変わるはずです。

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客室乗務員の採用面接官も務める管理人が、一人でも多くの優秀な方に客室乗務員になってもらいたいと思い運営を始めました。直接採用面接や客室乗務員に限らず、エアラインに関することなど気になることをお問い合わせ頂ければ、管理人若しくは現役客室乗務員が回答します!趣味の旅行やマイル、クレジットカードや株式についても書いていきます。