2021年度ANA客室乗務職のESを現役面接官が解説します!
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【ANA】2021年CA新卒採用エントリーシートを解説!

CA

どうもみなさん、おはこんばんにちは。

いよいよANAのCA新卒採用エントリー〆切が近づいてきました。
既に提出したよって方もいれば、一通り書き上げて確認中という方、まだ全く書けていない方(それはやばい)もいると思います。

そこで今回は、ANAエントリーシートを書くポイントについて、
面接官の視点から解説していきたいと思いますので、もし良ければ参考にしてみてください。

一つずつ設問を見ていきましょう。

ゼミや論文テーマを記入してください(50文字以下)

ESにも明記される内容で、面接で興味本位で聞かれることが多い項目です。
回答の構成としては、簡潔にテーマを記入し、2行目から内容を書いていくイメージ。

手を抜かず、具体的に、しっかり、みっちり書いておきましょう。

10文字程度でチャチャっと終わらせるのではなく、文字数制限一杯書いておく。
ここがしっかり書けていると、大学時代は遊ばずしっかり勉強してきたなという印象になりますよ。

高校/大学の部活動・サークルについて記入してください

ここもゼミと同じで、意外に聞かれることの多い項目。

どんなことに関心があるのか、どういう価値観/考え方があるのか、
CA採用選考ではそういった点を重視する傾向にあるので、それを確認する一つとして質問することがあります。

最重要というわけではありませんが、
例えば、高校と大学で所属した部活動/サークルが異なる場合、なぜ変えたのか、一貫性を確認するために質問することがあります。

この人は飽きやすいタイプか、粘り強く行動する人か、
適性テストでは確認することの出来ない学生の性格について、そうやって確認していきます。

設問1:あなたがANA客室乗務職を志望する理由を記入してください(200文字以下)

今回のエントリーシート大きな設問3つの内、まず1つ目。

これはシンプルに志望動機。
ポイントは、単なる客室乗務職の志望理由ではなく、なぜANAなのかも問われています。

言い換えれば、なぜJALではなくANAか。

受験者のほぼ全員がJAL/ANA併願であることについて、会社側は百も承知。

ANAは受験するけどJALは受験しないって人、いませんよね?笑

客室乗務職を志望する理由

よく見るCA志望動機の典型として、

・幼いころ飛行機に乗った時のCAの対応が素晴らしかった。自分もそうなりたい。
・お客さまを笑顔にしたい
・外国人に日本の良さを伝えたい
・留学経験から語学力を活かしたい

本音かどうかは別として、大体こんな感じの志望動機が9割。

正直、ESではその程度で十分。
自身のエピソードを交え、なぜCAになりたいのか、読み手を納得させられる志望動機であれば、まず落ちることはありません。

問題のある志望動機、落ちる志望動機を言えば、

①自分成長目的
②学生時代の経験がCAとして求める能力に紐づていない
③何を言っているかわからない
④全く納得感がない
⑤憧れ

こんなところ。

①と③は根底から考え方を改める必要があって、②と④は話の展開や表現の仕方を工夫する必要があります。⑤は論外。

ESも面接もそうですが、最も大事なことは、

面接官が納得してくれること。

これに尽きます。
この納得感がないと、CAに限らず、就職活動で成功することはまずあり得ません。
この人なに言ってるかわからないし全く納得できないけど、書類選考は通過。

そんなことする人いますか?笑

なぜCAじゃないとダメなの?
なぜJTBじゃダメなの?
なぜバスガイドじゃダメなの?
なぜJICAとかボランティアじゃダメなの?

納得感の無い志望動機を読む読み手の頭の中はこんなことばかり。
大切なポイントは、200文字という短い文章の中で、読み手を納得させること。且つ、短い時間で。

そして読み手を納得させる上で大事なことは、どう話すか。

アルバイト経験、ボランティア経験、サークル経験、何を話すかではありません。
どんなネタであれ、CAを目指す動機となった明白な理由・エピソードがあればそれで十分。

志望動機に良し悪しはありません。

読み手・面接官が納得出来るかどうか。

通過するポイントは本当にこれだけ。

そしてその手助けとなるのが、自分のESを見てくれる他人(友人・家族)の存在です。

経験談ですが、ESを一生懸命書いていると視野が狭くなることが日常茶飯事。
客観的な第三者視点からアドバイスをもらうことで、これまで思いつかなかった言い回しを思いついたり、
表現やロジック、話の展開を工夫することが出来て、より納得感のある志望動機になるケースが多々あります。

なので、恥ずかしがらず、積極的に自分以外の誰かにESを見てもらいましょう。
そんなことでESの精度が上がるならやらない手はありません。

志望動機を書く上でのポイント
・読み手を納得させることを意識する
・納得させるためには、何を書くかではなく、どう書くか
・自分以外の第三者にESを見てもらい、アドバイスをもらう

これが質の良い志望動機を書くポイント。というか、これに尽きる。

ANAを志望する理由

内定者の話を聞くと、ANAに決めた最も大きな要因はお金、給与が最も多いんですよ。

というのも当たり前な話ですが、ANAは新人から国際線に乗務するからです。
出張手当や乗務手当が国内線限定のJALとは大きく異なり、新卒1年目から一時的ではありますが、少なくない年収の開きがあります。
(残念ながら近くこの制度は撤廃されるのですが…)

なぜJALではなくANAかを意識する

エミレーツでもカタールでもルフトハンザでもシンガポールでもありません。

なぜJALではないんだ!ANAにこだわる理由はなんなんだ!

ANAを志望する理由において、ここが大事(逆も然り)
勿論、ここも読み手に納得感を持たせることもお忘れなく。

先ほど何を書くかは重要ではないとお話しましたが、
1つだけ注意点があって、それは、わかりもしないことは書いてはいけない、ということ。

皆さんは、ANAやJALの企業風土・社風についてわかりますか?

正直、自分の会社の社風はわかっても、とてもじゃないですけど競合他社の社風なんてわかるわけありません。
ということは、学生である皆さんがJAL/ANAの社風についてわかるわけないんです(わかったらスゴい)

“なぜJALではなくANAか”

この問いに対して、企業風土や社風で攻めるのであれば、ANAもJALも理解していることが最低条件。
ANAだけ知っているようでは、”なぜJALではないのか”に回答したことになっていません。

以上のことから、そういうポイントで話を展開することはお勧めしません。
おまえに何がわかるんじゃ!って思われるのがオチなんで。

それに加えて、事業戦略、機材・路線戦略も避けたほうが無難。
東大クンなら話は別ですが、付け焼刃の知識だと深く突っ込まれて対応出来なくなるので、面接の時を見据え控えておいたほうが無難。

アドバイスするとしたら…

皆さんCAを目指しているのであれば、少なくとも両社の説明会には行っていますよね?
その時の立ち振る舞いや対応について、よく思い出してみてください。

ベタですが、最終的な違いは “人” です。

ここのポイントは、どれだけJAL/ANAのニッチな違いを見つけられるかではありません。

どれほどCAになりたいという気持ちを持ってANAとJALのことを調べたか。
CAになりたい気持ちが強いなら、説明会に行って目の前にいるCAの良いところを盗もうと必死になるよね。
そこと自分の考え方・価値観が合致しているか、しっかり考えるよね。

“なぜJALではなくANAか” については、そんな意図を持って聞いています。

じゃあ自分の考え方や価値観をどう表現するかというと、学生時代に頑張ったこと、この後お話する動画提出となり、全てが繋がっています。

だからESや面接では一貫したアピールが必要となり、
ちょっとした矛盾でさえ、ESの読み手や面接官はとても敏感にキャッチします。

論理が破綻しないよう、しっかり考え抜いておくことが大事になりますね。

ANAを志望する理由についてのポイント

・CA志望動機同様、ES読み手の納得感を意識する
・企業風土や社風、事業戦略についての言及は極力避ける
・企業説明会などのCAの振る舞いを研究する
・自身の考え方や価値観と合致する点を見出す
・ES全体における一貫性を意識し、論理破綻・矛盾が起きないようにする

あなたが心を動かされた出来事を教えてください。あなたにどの様な影響を与えたのかも踏まえてご記入ください(200文字以下)

これは志望動機と違って納得感を求めるものではなく、CAとしての適性を見る設問。

普段どんなことに関心を持ち、どんなことによって感情が動くか。
その結果、自身の行動がどう変わるか。

CAの業務に置き換えてみてください。

機内サービスを行う過程で、どんなことにアンテナを張り、目の前で起きたことに対して、自分がどんなリアクションをするか。

もっと具体的に言うと、
機内サービス中に目の前で骨壺を抱えた女性がいて、その方に対してどんな行動が取れるか。
結果の良し悪しはどうであれ、最終的な結果によって今後どの様に機内サービスを改善していけるか。

長ったらしく言うとこんな場面をイメージしていて、要はケーススタディのようなものです。

機内で起こり得るシーンについて、どの様に対応し、どう改善していけるか。
学生時代の経験を教えてもらうことで、CAとしての適性を確認しようとしています。

この設問において正解はありませんが、
気を付けるべきことは、そういう出題者側の意図を理解し、CAとしての適性をしっかりアピールできるかということ。

CAとしての適性がどの様なものかについては、以下記事を参照してみてください。

【現役面接官が教える】CAに必要な素質とは?

設問3:動画提出(1分以内)

もはやANAの名物といえるこの課題。
各テーマはANAが日々心掛けていることですが、個人的にはかなり難易度に差があるのではないかと思います。

簡単に各テーマを説明すると、

■関心を持つこと

単なる機内サービスだけに留まらず、自らお客さまに対して関心を持ち、お客さまから声を掛けられるよりも前に自分からサービスし、顧客満足度を向上させる。
また、お客さまだけでなく仲間に対しても関心を持つことでより良い信頼関係が構築出来、結果、更に良いチームワークが発揮できる。

■感謝を伝えること

公共交通機関としてのエアラインは、お客さまあっての商売。
お客さまが飛行機に乗って頂くことで初めて社員が生活することが出来る。
そのことに対して常に感謝の気持ちを持ち、謙虚な想いで業務に就くことは事業継続に必要不可欠である。

■助け合うこと

CAとしての仕事は、チームワークが大前提。
個人で完結する仕事は何一つなく、常に誰かとの共同作業。チームワークなくしてCAに非ず。

シンプルに捉える

個人的には、3つ目の「助け合うこと」が最も書き易いはずです。
なぜなら、このテーマを言い換えると、

チームワークについての経験を聞かせてください。

という質問に変わるからです。

どうですか?シンプルじゃないですか?笑

難しそうに書いていますが、よく読むと聞いているのはこれだけ。
恐らくこの「助け合うこと」をテーマに話す方が最も多く、2番目に「感謝を伝えること」、3番目に「関心をもつこと」の順になると思います。

でもここで変に他者と差別化して、敢えて難しいテーマを選ぶ必要はありません。
勿論、必ずしも「助け合うこと」を選ぶ必要もありません。

自分の経験・エピソードと向き合い、どのテーマが最も自分自身をアピール出来るか

この1点だけで選んでください。

設問に書いてある通り、どのテーマもANAのCAにとって大事なことで優劣付け難いものなので、
どのテーマを選択しても評価に差は絶対に生まれません。

条件は要確認

意外にもこんなところで足元をすくわれる方がいるので念のため言及しておきますが、
設問の下に書いてある注意点を見るとこう書いてあります。

一般的な面接の場を想定してお話しください。

なんでこんなこと書くと思いますか?
それは、本題とズレることをする人が必ずいるからです。

例えば、紙やPCを使って突如プレゼンを始めたり、特技であるダンスを踊ってみたり、
面接で再現出来ない内容のものを提出してくることを想定しての但し書きです。

サラっと書いていますが、恐らくここが最も大事な注意点なはず。
人と違うことをしようとしたり、採用選考だからといって目立とうとすることは、落とされる要因の一つです。

CAは目立つことが仕事ではありません。相手が必要とすることを地道にサービスしていく、実に泥臭いお仕事。
こういう不用意な言動から、CAという仕事に対する理解度の低さが露呈し、能力・適性とは全く関係のないところで落とされてしまうことになりますので、気を付けてください。

まとめ

くどいようですが、ESで合格するポイントは、

・出題意図を正しく理解する
・読み手の納得感を得られる書き方(読み手の立場になる)
・シンプルに捉え、シンプルに回答する

本当にこの程度です。

ESを書くとき、自分には特別な経験がない、秀でた能力がない、そうやって卑下する人は必ずいるのですが、そういう人に言って差し上げたいのは、

そんなこと気にする前に、さっさとESを書きましょう。

ってこと。

能力の高い人が欲しいなら、東大で面接すれば良いんです。
英語が話せる人が欲しいなら、帰国子女ばかり書類通過させればいいんです。

でも実際そんなことありませんよね。

大事なことは伝え方です。

どれだけ良いマグロも、握る人が間違えたらマズい寿司になってしまいます。
時間を掛けるべきは、何を話そうかではなく、どう伝えるか。

どう伝えるかに時間を費やしてください。

以上、締め切り前日になってしまいましたが、ANAのESを書く上でのポイントをお伝えしました。
少しでもお役に立てれば幸いです。

次はJALのESを解説します!

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