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コロナの影響について

CA

どうもみなさん、おはこんばんにちは。

ついに発表されましたね、オリンピックの延期。
中止ではないとのことでまずは一安心ですが、来年開催出来るとも限りませんし、ただ決断を先送りしただけな感は否めないですが。

毎日毎日コロナに関する報道、エアラインに関する動向が取り上げられ、
これから入社する人、来年以降にエアラインを目指して就職活動する方の多くはとても心配されていると思います。

改めて状況をお伝えしますね。

【報道】ANAがCAの入社時期を後ろ倒し

まず、こんな報道が出ていましたね。
理由としては、大幅減便で人員余剰とのことですが、雇用は維持し、新人CAの入社時期の延期やCA5,000人の一時休業などで難局を乗り切るとのこと。

業界では特に問題視されていませんし、むしろ決断遅いねってみんな言ってます。
訓練を止めることってそう簡単に決められないし、先行きが読めない以上、仕方のないことなので理解しますが、欲を言えばもっと早く決断して欲しかった。

なぜ先送りするか

基本、以下二つ。

・運休/減便により、訓練しても乗務するFLTがないから
・入社させると給料を支払わなければならないから

大量の人員余剰を抱える今、無理に入社させても乗務する便がないし、入社させる以上、給料を払わなければなりません。
コロナによる減便で苦しい収支状況にも関わらず、新入社員を入社させることで更に多額の人件費を抱えてしまいます。

つまり、収入が落ち込んでいる今、入社を延期することで少しでも支出を減らすことが出来る、ということ。

企業の支出に占める人件費は最も大きいので、状況が改善し、運航再開により収入が戻ってき始めた段階で訓練再開、会社を存続させる上で必要な対応だと思います。

JALは追随するか?

恐らくJALは延期しないはず。

その理由というわけではありませんが、
これまでANAは、8.10ペーパーによってJALが思い切った拡大戦略を取れないことを横目に、追いつけ追い越せと言う気概で積極的に路線を拡大してきました。

一方のJALは、8.10ペーパー終了後であっても、過去の経験を糧に、慎重に、かつ、ゆっくりと路線網を拡大していきました。

一言でいえば、ANAは売上規模重視、JALは利益率重視。

キャッシュはJALの方がはるかに多く持っているし、財務体質はJALが飛びぬけて良い。
本業から稼ぎ出す収益が多いことに加え、JALに入社した新人はANAと違って国内線乗務からスタートするので、新入社員の賃金水準はANAに比べて低く支出も少ない。
つまり、稼ぐ割に支出が少ないので、手元に残るお金はANAより多い。

他にも理由はありますが、JALは無理に訓練を先延ばしすることで学生を心配させなくて良いんです。
訓練しても乗務させるFLTがないという状況はANAと同じですが、優秀な人材確保のため、JALはここで間違いなくANAと差別化してくるはず。

JAL/ANAの争いって、こういうところでバチバチやるんですよ(笑)
人材を囲い込むためというより、相手に良い人材を取られないために。

8.10ペーパーとは?
国土交通省が平成24年(2012年)8月10日に示した「日本航空の企業再生への対応について」と題する文書の通称。
平成22年(2010年)に経営破綻し会社更生法の適用を受けた日本航空に対して、経営再建のため多額の公的資金が投入されたことから、
同社の新規投資や路線開設が航空ネットワークの維持・発展に貢献するものとなっているか、競争環境が不適切に歪められていないかを確認するため、報告を求め、状況を監視するとしている。

もっと簡単に言うと、国民の税金によって救済されたJALは、新たな路線開設や新規投資について、余程のことがない限り制限されていたということです。

ANA/JALの方向性の違い
ANAは売上重視、JALは利益率重視

こういう二社の基本的な方針を理解しておくことはとても重要。
CAにとって一見関係ないようにも思えますが、なぜANAではなくJALなのか、ということを考える上で、一つ大きなネタになるはずですから。
利益率重視は効率化とも言い換えられ、規模を拡大すれば良いわけではなく、効率的に稼ぐという考え方です。

コロナがどれだけ長引くか

最大の懸念事項。わかりきった話ですが、本当にこれ次第

今回のANAの訓練1か月延期の根拠として、コロナは5月末に沈静化と予想しています。

しかし、もし5月以降もコロナが沈静化しない場合、更なる訓練延期は十分に考えられます。
また、JALは下期(10月以降)徐々に運休・減便が解消されていくと読んでおり、その後を見据えて今は訓練延期をしない判断をしていますが、コロナ次第でJALも対応は変わるでしょう。

コロナが長引いた場合の最悪な事態として…

①2020年度に入社予定だった人が2021年度にスライド入社
②2021年度採用予定の人が2022年度にスライド入社
③来年実施予定の2022年度採用は実施無し、或いは、採用数減

残念ですが、この様な措置になりかねません。

社内ではまだこの様な議論になっていませんが、少しずつ悪い方向に動き始めています。
参考までのお話ですが、SARSのときは1年間で数千億の損害でしたが、今回のコロナでは2-3か月でSARSの時と同規模の損害が既に出ており、皆さんが想像している以上の被害を受けています。

ウイルスという目に見えない感染の恐怖から、2008年のリーマンショックとは比べ物にならず、エアラインはこれまでにない危機感を抱いているため、
今後のコロナの状況に応じて、採用ストップ、訓練ストップという最悪の手段を講じることもゼロではないということを認識しておくべきです。

「会社の存続を賭けて…」社内ではそういう表現が増えてきていますから。

まとめ

2020年度の方向性としては、現状、ANAは訓練延期、JALは延期なし。
予定していた既卒採用は、実施見込みですが、入社時期が先送りになりそう。
今後コロナの影響がどこまで続くか次第で更に入社時期を延期される可能性があり、最悪は2022年度の採用に影響する可能性がある。

簡単にまとめるとこんな感じ。

まだこれから皆さんを心配にさせるような報道や情報が続々飛び交うと思いますが、惑わされず、今自分に出来ることに取り組んでください。

しっかりと準備をしてきたという自信は、面接では大きな武器になります。

面接は何を言うかより、どう言うか。
内容は不要、というわけではなく、特に新卒ではここがより大事になるので、そういった自信を身に付けるためにはしっかりとした準備が必要です。

また状況に進捗があったら共有しますね。

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客室乗務員を目指す

客室乗務員の採用面接官も務める管理人が、一人でも多くの優秀な方に客室乗務員になってもらいたいと思い運営を始めました。直接採用面接や客室乗務員に限らず、エアラインに関することなど気になることをお問い合わせ頂ければ、管理人若しくは現役客室乗務員が回答します!趣味の旅行やマイル、クレジットカードや株式についても書いていきます。