どうもみなさん、おはこんばんにちは。もちおです。
今回のテーマ、気になったことないですか?
CAにとって身長はどこまで考慮されるのか、身長の高い低いで選考に影響することはあり得るのか。
まあ身長についてはかなりSensitiveな問題なので、基本エアラインからアナウンスされることだったり、はっきりと募集要項に記載されることはまずありません。
ということもあり、中々情報がないのは当然なんですが、今回は採用選考における身長についてサラッと解説したいと思います。
厳しいことを言うかもしれないので、人によってはショッキングな内容を含みます。読む場合は気を付けてください。
身長に心配のない人は読み飛ばしてもらって構いません。
CAにとって身長は必要最低限
はい、いきなり結論書きました(笑)つまり、身長は採用選考に大いに関係します。
どこかのエアラインスクールでは、身長なんて関係ない!想いと努力があれば夢は叶う!だからスクールに通ったほうがいい!
なーんて甘い誘惑で受講料を巻き上げる悪徳商法を展開するエアラインスクールもひょっとしたら存在するのかもしれませんが、私はそんな甘いことは言いませんよ。
国内大手エアラインの現役面接官として断言します。
選考に身長は影響します。
影響するというか、ある程度身長ないと仕事出来ないんで、身長低いと普通に落としますし、落とされます。そこはかなりシビア。
ネットを見ていると、150cm台でも日系エアラインに合格!160cmの壁なんてない!なんて記事がありますが、騙されないように。
“日系エアライン”というのがポイント。決してJAL/ANAとは書いていません。
実は、皆さんは採用選考において2回ほど身長を見られる機会があって、その内1回は会社の人間にしかわからないようにコソっと会場に指標が設置されています。
どこに設置されているかは問題ではないので特に言及しませんが、採用選考の最初と最後で2回見られています。もう少し言うと、最初はざっくり目視、2回目はしっかり確認ていう感じ。ていうか、2回目は身体測定。
最初の目視の段階で規定の身長に明らかに達していない場合チェックが入り、残念ながらその時点で不採用が決まります。
いくら面接が高評価であっても、どんなにべっぴんさんであっても、身長未達は不採用。そういう決まり。
チェックを入れるか入れないかは面接官次第。チェックを入れられなければとりあえず第一関門突破になりますが、問題は2回目の身体測定。
皆さんも学校で経験あると思いますが、身体測定て裸足ですよね?だからしっかり正確に図るし、ごまかすことも出来ません。
そしてここで大幅に未達となれば不採用になります。ですが、多少身長が足りない程度であれば不問になります。
なぜか。
身長が関係するのは業務中だけ、どの時点の身長を図るか
少し話は脱線しますが、なぜCAにとって身長は大事なんでしょう。
身長高いほうがスラっとして綺麗に見えるし見栄えが良いから?意地悪なステータス持ちのビジネスマンを上から目線で見下ろせるから?笑
NO,NO,正解は高いところにあるモノが取れるから!笑
あらやだ、とっても実用的。
飛行機の中って、荷物を収納する棚(Overhead Storagebin、略してO/H)がありますが、どの飛行機も頭上にあるので、そこに荷物を収納するためには一定度身長が必要になります。
最近はお客さまご自身で荷物を収納してくださいってアナウンスしているエアラインもあるみたいですが、身長の低いお年寄りの方はどうやってもO/Hに届かないので、代わりに収納してあげる必要があります。
或いは、全乗客降機後、次のフライトの準備としてセキュリティチェックを行うため、O/Hに残置物がないか確認しなければなりません。
座席下に足をひっかけるステップがあるとはいえ、それでも一定の身長が必要になりますし、私はセキュリティチェックできませーん、なんてことは許されません。
百歩譲って荷物が収納出来ないというのは許せたとして、セキュリティチェックが出来ないというのはかなり大問題。
なぜなら、テロやら何やらで機内に不審物が取り残されることも無きにしも非ずですし、保安要員であるCAがセキュリティチェックを実施出来ないなんてのは言語道断。身長が低い方を採用することは、不安全事象に繋がりかねない大きなリスクを抱えることにあるので、エアラインとしてはやはり低身長の方は採用し辛い、採用出来ないというのが本音です。
でもよく考えてみてください。
手荷物収納、セキュリティチェック、両方業務中の話ですよね?
業務中ということは、靴(ヒール)を履いているわけです。逆を言えば、ヒールを履いてO/Hに届きさえすれば問題ないわけなんです。
身長が足りない人は、ちょっとした工夫を
話を戻しますが、採用選考の場で皆さんはヒールを履いていますよね。↑こんなヒールは履かないと思いますが。
ということは、ヒールを履いた状態で規定の身長に達していれば問題ないということになります。
事実、1回目の目視確認のときも、ヒール込の身長で見ており、しかもしっかり見ているわけではなく、ざっくりとしか見ていません。
明らかに未達であったときだけチェックが入るので、どうかなー微妙だなーという時は普通は不問にします。
そして、2回目の身体測定のときは、ヒールを脱いだ状態で図りますが、通常ヒールを履いた状態で規定の身長があれば良いので、ここでは大幅な未達でない限り問題なし。
身体測定でNGになるケースは、10cm-15cmという大幅な未達であった場合。
1回目の目視で見損ねてチェック出来ず、身体測定まで選考が進んだ人。こういう人がここで不採用になるわけです。
さすがに10cm15cmをヒールでカバーしきれないですからね。
ここまで聞いた賢い方はこう思うはずです。
そうだ、ヒールの高いパンプスを買いに行こう。
なぜエアラインは身長について公表できないか
話は単純。差別になるから募集要項に書けないんです。
最近はそういうのとても神経質になってますからね。
面接では出身地について質問するな、プライベートに突っ込むな、大学を聞くな、制限ばかり。
年齢も同じ。募集要項に明確な年齢制限を記載することは出来ません。だから”30歳程度”ってぼかした書き方になるんですね。
年齢は誰しも時間の経過と共に老いていくので、こういう書き方でもまだ許されますが、
身長は身体的な特徴で圧倒的に人それぞれですから、ここで制限を加えることは社会通念上出来ません。ていうか、国規定で決められているんだっけ。
とはいえ、先ほど言ったように、エアラインにとっては安全運航を担う保安要員としてのCAには、必要最低限度の身長は必要になるため、会社内で一定度の目安を決めておかなければならないというのが実情。
グループ会社という選択肢
残念ながら身長が160cmに大きく届かない人はCAになれないかというと、必ずしもそうではありません。普通にCAになれます。
さっきの150cm台でも日系エアラインに合格!という話は、まさにここ。壁があるのは、大型機を持つエアラインに限った話(日本ではJAL/ANA)
短い路線しか飛んでいないエアラインは小型機中心のため、CAに求める身長もあまり気にしません。
例えばJALグループのJAIR・JTA・JAC・RAC・HAC、ANAグループのANAウイングスなど、国内線のみしか路線網のないエアラインは、一部幹線を除き737やエンブラエルなどの小型機がほとんどであり、O/Hが低いため十分にCAとして活躍することが出来ます。
LCCの中には短距離の国際線を飛ばしているエアラインもありますが、そういうエアラインも十分可能ですね。
CAは何もJAL/ANAに限った話ではありません。
むしろ1機あたりのCAの人数が少ない小型機のほうが、一人一人の仕事量が多くやりがいもあり、
チームプレーも求められるのでCAとして長く働くモチベーションは高く保てると個人的には思います。
人数が多すぎて一人一人丁寧に育成出来ないとか、面倒見てあげられないなんてことはよく聞く話。そういうこともあって、理想と現実の乖離から辞めていく人も多いし、離職率が高いなんて言われるんですね。必ずしもJAL/ANAが全てではないし、JAL/ANA受かっても敢えて沖縄に根付いたJTAに就職したり、国内線だけで構わないといってANAウイングスに入る人もいます。
CAとして長く働くにはそういう企業が適している場合もありますし、色々と話を聞く限りではとても充実しているなんて話をよく聞くので、身長が足りないからって諦めず、そういう道も模索してみるのも選択肢の一つになると思います
不採用になる身長の目安
最後にJAL/ANAで不採用になる身長の目安をお話しておきます。
目安としては、
160cm
会場に設置されている皆さんには見えない指標も160cmで設定されています。
先ほども言ったように、目視確認が中心なので159cmだったらダメ、161cmだったらOKという細かな話ではなく、あくまで見る人の主観。
だから160cmまで少し足りない方は、ヒールの高いパンプスでかさ上げしてください。マジで。若しくは、終始かかと上げとくとか、髪を盛るとか(シニヨンだから無理か)
これまでCAの採用選考における身長についてお話しましたが、身長なんていう身体的な特徴については、対策のしようがないし、考えてみキリがないので、あーそうなんだという感じで参考程度に知っておいてください。
もしかしたら身長が低い=CAになれないなんて勘違いしている方がいるかもしれませんし、その逆も然りなんで。
日本人の平均身長ぐらいしかない私が、バレーボール選手になって思いっきり格好良くバックアタックしたいなんて言ったって、俄然無理な話なんです。
そんな実現する見込みのない淡い望みを持つよりも、さっさと別の道を探したほうが良い。
人生は時には割り切りも必要、ホントにそう思いますよ。
実はパイロットも同じことが言えるんですが、パイロットはもっと露骨です。
視力はもちろん、呼吸器系に疾患があるとダメとか、露骨に健康面で線引きされ、健康診断が理由で過去一度でも不採用になった方は、二度とそのエアラインのパイロット採用選考を受験することは出来ません。多くの人命を預かるエアラインは、それだけ厳しい世界なんです。
そういう意味ではCAの採用選考でも、身長の重要性について隠すことなくちゃんと説明したほうが、合格する見込みのない不毛な選考を受験させるという、やる気に満ち溢れた受験生の気持ちを踏みにじるようなことをしなくて済むと思うんですけどね。
もうハッキリ言っちゃったほうがいいんですよ、JAL/ANAに身長は必要だよって。
会社の人間にしか見えない指標が設置されているからと言って、みんなやめてよ。
会場でキョロキョロするの(笑)
①JAL/ANAにCAとして入社するには、160cm前後は必要(ヒールを履いた状態で)
②小型機を中心としたエアラインでは、150cm台でも問題なし
③160cmに少し足りない人は、最初の選考時に髪を盛る、かかとを浮かす、ヒールの高いパンプスを履くなど、目視確認に引っかからないような工夫を施す