どうもみなさん、おはこんばんにちは。
前回はANAのエントリーシートについてお話しました。
締め切り後で申し訳ありませんが、今回はJALについて解説します。
ANAについては以下を参照してください。
設問①:あなたらしさを表現する言葉と、その理由をご記入ください(300文字以下)
これは自己PR。素直に自分の最も強みを言葉で表現してください。
回答の構成としては、まず自分を表現する言葉を書き、その後に理由を書きますが、
ダラダラ文章を書くよりも、一行使って自分らしさを表現する言葉を【】か「」で記載し、改行して理由を書いていくほうがわかりやすいのでオススメ。
書くときのポイントは主に二つ。
勝負は出だしで7割決まる
やや誇張していますが、それくらい重要ということで。
まず大前提ですが、ESは読んでもらえなければ話になりません。
厳密に言えば、ちゃんと本気で読んでもらわないとまず書類は通過しません。
「ESは全部読んでくれるんじゃないの?読んでもらえないって、どゆこと?」
そう疑問に思う方もいるでしょう。
当たり前ですがESを読むのは社内の人間で、業務の合間を縫ってESを読んでいます。
忙しい中、一日に数百通ものESを読む必要があるので、ES一通あたりに掛けられる時間はせいぜい数分程度(長くて5分)。
具体的にどう読んでいるかについて語弊を恐れず言うならば、しっかり読むかどうかは、読む人の気分次第。
ESの全体像や出だし、タイトルを見て興味を惹けばしっかり読み込んで、興味を惹かなければ流し読み、しかも落とす理由を探しながら。
「みなさんのエントリーシートは全部しっかり読ませて頂いています!」
人事部は口を揃えて皆そう言いますが、普通に盛ってますからね。
確かに読んではいるんですが、”しっかり” は読んでいません。
しっかり読めと言われても、200-300文字の文章を二つもしっかり理解しながら読んで、更に学生の真意を汲み取るなんて出来るわけない。
だからこそ、出だしが大事。
出だしでこのESは読むに値しない、読まなくても何が書いてあるかわかる。
そう思われてしまうと、その時点で7割試合終了。
この設問を象徴する出だしの表現(言葉)には命を懸けろ!
ホントそう言いたい。
面接に呼びたいと思わせる仕掛け
で、その出だしをどう書くか。
採用選考は面接官とのコミュニケーションだから、聞かれたことに対して端的に答える。
スクールだか就活本でよくそう言われると思いますが、面接官として言わせればそれでは不十分。
例えば、この設問について多くの学生でよく見られるロジック展開は、
↓
回答:「ポジティブシンキング」なぜなら学生時代のサークル活動で…
恐らくこんな感じ。
確かに端的なんですが、これでは受かるESとしては不十分です。
この内容では、学生がポジティブシンキングであるということしかわからず、この言葉を見た瞬間、この後どんな説明が行われるか読まなくてもわかります。
そうすると時間の無い社員はどうするか。
この学生のESはざっくりとしか読まず、そのざっくりとした印象の中で合否を判定します。
そして1枚でも多く他のESを読んで終わらせたい、そう思っています。
残念ながらこれがESを読む人の本音。
だからこんな書き方ではESを読んですらもらえないし、書類選考通過の確率は著しく低くなってしまう。
設問に隠された意図を理解する
この設問では単純な自己PRに加え、もう一つ重要な意図が含まれています。
その意図とは、
日頃あなたがどんなことに関心があるか、どんな分野にアンテナを張っているか。
その内容とリンクさせ、いくつかの論点・仕掛けを作らせることでその後に行われる面接をテンポよく円滑に進め、学生の良いところを引き出せる構成となっています。
例えば、もし私が日頃歴史/文学に関心があるとしたら、
こんな風に表現するかもしれません(笑)
歴史/文学なんてアピールするほどのものではない、という懐疑的な気持ちもあると思います。
エアライン以外の業界、若しくは総合職であれば確かに不適切かもしれませんが、CAとしては十分です。
文学的知見のある人は語彙が豊富だし、お客さまとの会話に十分役立ちます。
ここでは、自分はこんな一面もあります、と自分の引き出しの多さを見せること。
趣味なんですか?と聞かれない限り、歴史/文学なんてことアピールすら出来ませんからね。
もし皆さんがESを選考する社員だったら、この「面白き…」を見てどう思いますか?
私だったら、
- アピールしたいことはポジティブンシンキングだな。
- この後に続く説明はどんな表現がされているんだろう
- 高杉晋作ということは文学/歴史に関心あるのかな。
- 書類ではわからないから、面接に呼んで詳しく聞いてみたい。
こんなことを考えるかと。
直球で「ポジティブンシンキング」と言わず、自身の関心事と絡ませて少し表現を工夫することで、
ESを読む社員の関心を惹くことが出来、200文字の説明にもしっかり目を通してもらえる可能性が高まります。
改めてお伝えしますが、書類選考は面接に辿り着くまでの手段であって、目的ではありません。
本番はその後に続く面接であって、ESは面接を見越した構成にしなければなりませんよね。
→ 面接で質問することがない
→ コミュニケーションが続かない
→ 結果、学生のことがよくわからない
→ アピール不足で落ちる
面接を行う上で、こんな学生をたくさん見ています。
皆さんはたった2問(200文字程度)で書類選考を通過しなければなりません。
スクールやどこかの就活本で教えられた通り端的に答えるだけでは、受かるものも受かりません。
こういうチャンスを逃さずアピールすることが、書類選考でも面接でも受かるポイントの一つ。
私もですが、中々短い文章で自分の魅力を他人に伝えることは難しいし、得意な人ってそう多くないと思うんです。
だったら、文章力で勝負するのではなく、読む人の立場になってその心理を踏まえた文章にする。
さらに、出題意図に的確に回答することで何とか面接に呼んでもらうしかありません。
やっぱりここも、
何を伝えるかではなく、どう伝えるか。
結局これが大切になりますね。
まとめ
- 回答の構成は、1行目に自分を表現する言葉。2行目から詳しい説明出だしの自分らしさを表現する言葉に命を賭ける。
- 自分を表現する言葉は奇抜になり過ぎず、平凡過ぎず、表現を工夫する
- 他にアピール出来る内容に繋がる表現にする
書類もですが、面接でも考え方は同じです。
とにかく表現を工夫すること。
NGなケース
NGケースはこんな感じ。
- ウケ狙い、クリエイティブ思考が強い
- 難しすぎる表現、全く意味のわからない表現
- すぐに内容がわかってしまうほどの簡単な内容
- CAとして活かせない内容
基本的には、四字熟語、座右の銘、ことわざなどが多いでしょうね。
“切磋琢磨” とか “臥薪嘗胆” とか “向き不向きより前向き” とか。
これらはもはや使い古された陳腐な内容なので、個人的にはあまり使いたくない。
こんな表現だと他の話に派生させることが出来ませんからね。
設問②:あなたが日本航空の客室乗務職として実現したいことは何ですか。志望動機も含めてご記入ください(300文字以下)
問題なのは字数制限。300文字の中に実現したいことと志望動機を含めることは中々難しい。
ただ、あくまで本題は “JALのCAとして実現したいこと” ですから、志望動機は触る程度で問題ありません。
といっても、基本的には「実現したいこと=志望動機」になるので、そんなに苦戦しないかもしれませんが。
CAとして実現したいこと、志望動機。分けて考えましょう。
日本航空のCAとして実現したいこと
文章構成としてわかりやすいのは、最初に実現させたいことを端的に書く。
その後、なぜ実現させたいのか理由を説明し、最後になぜJALでなければならないのかをダメ押しで書く。
この質問の意図は、CAの仕事をちゃんと理解しているか。
かなりの割合でいるんですが、
CAは世界を飛び回る華やかな職業。お客さまの旅をサポートし、みんなを笑顔にする!
とかね。
確かに日本の女性が憧れる職業NO.1で華やかな職業ではあるんですが、実態は物凄く地味で泥臭い仕事をしています。
そんな世間のイメージと実態のギャップをちゃんと理解していること、ここは絶対に外してはいけません。
CA面接官(管理職)は、”世界を飛び回って” とか “みんなを笑顔にする” といった表現を実はあまり好まないんですよ。
控室で “CAは遊びじゃねえんだよ!(怒)”
って話すことが多く、CAの実態を理解していない人があまりに多いのが現状。
そんなこともあって、CA面接官からの質問は、「体力ありますか?」とか「辛いときどうやってストレス解消しますか?」という系統の質問が多く、中には面接で引いちゃう人もいるぐらい。
そうやってCAとしての適性を見る傾向が強い。
ま、面接を経る過程でCAとしての仕事を理解していくことも勿論アリなんですが、
会社側としては、長く続けてもらえる優秀な人を採用しようとしている中で、
「世界を飛び回れる」という自分のことしか考えていない学生を見ると、あまり気分が良いものではありませんからね。
わざわざ “日本航空の” と書いてある意味を理解する
この言葉を含ませることで、JALに対する志望動機を確認しています。
ただちょっとニュアンスは違って、”なぜANAではなくJALなのか” ではなく、ちゃんとJALのことを企業研究しているか。
フィロソフィや企業理念を理解し、それに共感出来ているか、という意味合いが強い。
そんなJALを表すキーワードは、
「利他」
意味は、自己の利益を犠牲にしてでも、相手に尽くす。
JALは一度経営破綻をしていますが、税金を投入したからこそ復活できた。
今こうして飛行機を運航することが出来るのも、あの時国民に助けてもらったから、という意識がとても強い様です。
面接官によっては意地悪な人がいて、お気に入りの「JALフィロソフィ」は何ですか?
と、あからさまに学生を試す人もいるので、フィロソフィを理解しておくことは勿論大事ですが、
JALを語る上で、この「利他」という言葉、そして「謙虚」という言葉はこの上なく重要です。
当然ながらこの “CAとして実現させたいこと” に「利他」「謙虚」の要素を含ませる必要があり、
これはその他の設問、及び、面接での振る舞いでも同様です。
JALを受験する上で、何があってもこの「利他」と「謙虚」は外さないように。
勿論、チームワークや積極性、語学力など必要な能力は他にもたくさんありますが、JALが最も求める要素は間違いなくここです。
志望動機
ここで言う志望動機は、CAの志望動機と捉えてください。
先ほどお話したように、実現したいこと=志望動機になり得るので、敢えて別々で考える必要はないかもしれませんが、
「志望動機を踏まえて…」とわざわざ書かれていることから、“なぜCAでなければならないか” という問いにちゃんと答える必要があります。
あなたが実現したいことは、なぜCAではないとダメなのですか?
前回のANAのESでもお話しましたが、
- なぜ旅行代理店(JTB)じゃダメか
- なぜバスガイドじゃダメか
- なぜJICAだダメか
常にこの意識を持って考えることが重要。
自分が書いた志望動機は、他の職種じゃダメか。なぜダメなのか。
常にそのことを念頭に置きながら考えてください。
理由は前回のANAの記事で説明した通りです。
まとめ
JALはANAと違って動画提出を求められません。
その分提出は楽ですが、逆を言えば、JALはこの二つの設問だけで書類選考を通過しなければなりません。
文字数にして300文字×2問、たった600文字。たった600文字という短い文章でアピールしなければなりません。
しかもESを読んでもらえる時間なんて数分。いかにして興味も持って、読んでもらうか。
これが書類選考で最も大事なポイントです。
エントリーシートは何を書くかではなく、どう書くか。
ESは既に提出されていると思いますが、これは面接でも同様です。
話す表現を工夫することで伝わり方は全く異なります。
若干意味は異なりますが、メラビアンの法則ってよく言いますよね。
これから面接に臨まれる方は是非参考にしてみてください。