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【JAL】CA既卒採用の振り返り②【ANA】

CA

どうもみなさん、おはこんばんにちは。

前回に引き続き、今回もCA既卒採用を振り返ります。
前回の内容は以下を参照してください。

【JAL】CA既卒採用の振り返り①【ANA】

振り返り③:面接は正しい準備を

「AIR STAGE」という雑誌をご存知ですか?

エアラインに特化した雑誌で、毎月発売されています。
航空オタク向けというより、エアラインを目指す人のための雑誌なのでとても参考になると思いますよ。ANA/JALだけの特集、ANA/JALの比較記事、ANA/JALそれぞれの面接特集、CAだけでなくグランドスタッフ特集など、エアラインに関する様々な特集が行われます。
情報源の一つとして最適かもしれませんので良ければ参考にしてみてください。

この「AIR STAGE」では、JAL/ANAの採用について特集されることが多く、各企業の人事が面接について話していることをよく目にします。
その大体が「ありのままの皆さんが見たい」とか「素の皆さんをが見たい」と言っていることが多いんですが、間違ってはいけないのが、これをそのまま真に受けて、何も準備せず面接に臨んで良いというわけではありません。
あくまで、変に繕わないでね、変に良く見せようとしないでね、というだけなので、やはりしっかりとした準備が必要になります。

で、ここでよく誤解してしまうのが、面接における準備って何?ということ

面接はプレゼンと同じ、どうすれば面接官に伝わるかを考える

今回の既卒採用で感じたのは、まだ準備が十分ではないということ。自分の中で話が整理出来ておらず、自分で何を言っているかわからなくなってしまう方が非常に多かったです。
話が整理出来ている人も、CAに求められる素質を理解しておらず、アピールする内容がズレてしまっている方がとても多かった。

【現役面接官が教える】CAに必要な素質とは?

面接の準備は簡単に言うと、どうすれば自分を上手く売り込めるか、その方法を考えることに尽きます。決して暗記したセリフを披露する発表会ではありません。
既卒の方であればわかる方もいると思いますが、コンペや企画書、プレゼンしたことないですか?
そのプレゼン、何のためにやりましたか?私の認識では、プレゼンは自分の企画を通すためのもの。どうすればわかりやすい資料が作れるか、どういう組み立てで話せばより納得してもらえるか、そういうことを必死に考えます。
私にとって面接は、その売り込む対象が自分に変わっただけ。面接官に自分を採用することのメリット、それを明確に伝えてあげるだけでいいんです。こう聞いたら簡単でしょ?

大事なことは、通販でもそうですが、この包丁よく切れますよ!だけでは誰も買わないということ。
なぜよく切れるのか、時には実演販売したりしてよく切れる理由を順序立てて説明していますよね。
自分の特徴・強みを様々な具体例を持って説明してあげればいい。その時、企業が求める人物像と照らし合わせ、少しそこに寄せてあげる、それが準備です。

自分を採用するメリットがあるという視点を持つ

これも以前お話ししたことがあるので繰り返しになりますが、企業は慈善団体ではありません。企業価値やブランドを向上してくれる社員を求めます。
CAで言うと、抽象的な言い方になりますが、お客さまに素晴らしいサービスが提供できるCAのこと。
そして企業は、皆さんの夢を叶える場所ではありません。当たり前ですが営利団体になるので、いかにして利益を出すか、いかにして株主に利益を還元するか、そこに存在意義があります。

面接官は現役客室乗務員だけでなく、いろいろ職種が担当しますが、こういう視点を持っている人って中々多くて、特に既卒となるとその色はより濃くなります。

例えば、「どんなCAになりたいか」これも良く面接で聞かれる質問ですが、
こういうところでそういう考え方が試されています。自分本位の内容だけでなく、相手の立場になって考えられるか。採用する側、企業側の視点になって考えられているか。勿論、CAの仕事内容をちゃんと勉強し理解しているか、単なる憧れで志望していないか、そういう面を見るものでもありますが、こういう要素もあるということを知っておいてください。

CAの採用は一般企業ほど厳しくは見られず、人手不足という現状もあるので甘くみられがちですが、受験者の中でこういう視点は基本的に誰も持っていません。

だから、ここを意識するだけで他の人と差別化出来ます

注意すべきは、先ほどの通販と同じで、直接的に言及しないこと。言及しても良いですが、言い切る限りは相当の自信と説得力ある説明が求められます。
その自信がないのであれば直接的な言及は避け、そういうことは理解していますよということを匂わせる発言を盛り込むのがベスト。とはいえ、ここも塩梅は難しいので、面接の数をこなしてコツを掴むしかありません。

一貫したストーリーは大切

面接官として面接していると、話の矛盾ということに結構敏感になってしまうもので、さっきこう言ってたのになんか矛盾してるな、ということにすぐ気づくんです。あまり内容入ってこないのに不思議なもんで(笑)
面接で必要な要素の一つとして、納得感があることはこれまで何度か言っていますが、納得感が得られる根拠となるのが、この一貫したストーリーの存在。矛盾した話というのは論外として、出来るだけ自分が話す内容は一貫したストーリーであることが望ましい。その方が納得しやすい。
よく伏線とかブラフって言いますが、そういう仕掛けを仕込み、後々伏線を回収する、ブラフ回収という手順を踏めば、より納得感が得られやすいはずです。そこが難しいんですが(笑)

そんなに難しく考えなくても、例えば、自分の中でアピールしたい内容として一本大きな軸を持っていると思いますが、そこから逸れないこと。
話す内容は常にその軸を意識し、少しでもその軸をアピール出来るようにしておくこと、これを意識するだけでだいぶ一貫性を確保できるはずです。

「さっきこういう話をしていたけど、ここに繋がるのか!」そう思わせることが出来れば、この面接は通過したも同然

【面接官が教える】転職活動のポイント

まとめ

・面接は一般企業のプレゼンと同じ。いかに自分を上手に売り込めるか、説明出来るかということを重点的に考える。
・自分のことばかりではなく、相手にとって自分という存在は有益か、という視点を持つ。自分を採用することのメリットを考える。
・話す内容は一貫性が大切。アピールしたい内容を大きな軸として、話す内容はそこからブレないこと

振り返り④:職歴は良し悪しよりも転職回数

CAの既卒採用は、必ずしも前職がCAである必要はありません。介護、ホテル、一般企業、どんな業種であっても関係なく、本人に適性がありさえすれば採用されますが、一つだけ気になるのは、その転職回数の多さ。
CAという人気職種の特性上、新卒で入社して1-3年で応募してくるのは仕方のないことで特に問題視していないんですが、複数回転職を繰り返している人、特に1社あたりの勤続年数が短い場合、めちゃくちゃ目立ちます。そして非常に大きな疑問を大抵持ってしまいます。
今回私が担当した方々には、新卒を1年で退職、次の会社は8か月で退職、そして今の会社はまだ6か月しか勤務していないのにCA既卒を受験しようとしている方を何名も見ました。

皆さんは自分が面接官だとして、こういう職歴の方が来られたらどう思いますか?

1年、8か月、6か月、1社あたりの勤続年数の短さが気になりませんか?なんでそんな短い日数で辞めているのか、気になりませんか?
一度くらいであれば何かあったのかな、で済みますが、何回も続いているようだと不審に思いませんか?
勿論、日数が短い=その瞬間不合格というわけではありませんが、この職歴を見た瞬間、印象は非常にネガティブ、疑いの目を向けられるという現実を認識しておいてください。

日系企業は長期雇用が大前提

日系企業は外資系企業とは異なり、長く勤務してもらうことが大前提。
最初から転職しますって言う人を採用する企業は、日本中どこを探しても見つかりまえん。特にエアライン、その中でもJAL/ANAのCAとなると、人気職種でありながら退職率は高く人手確保に躍起になっているので、
すぐにまた転職する確率が高い人であると知りながら採用することは絶対にあり得ません。一人前のCAに育てるのに多額の費用を要しますし、それが無駄になってしまうからです。
無駄になる可能性のある人材に投資することは、企業が最も嫌がること。

だから、残念ながら若くして転職を繰り返している方は、最初から大きな負のアドバンテージがあることを強く認識しておいてください。
でも、だからと言って諦めるのは勿体ない。面接は半分が運。そこを気にしない面接官に巡り会えれば突破は十分可能です。

私はCAの現役面接官として断言しますが、CAにおいて職歴の良し悪しは関係ありません。

他の色々なブログで「職歴が大事!」なんてことを言っている人がいるかもしれませんが、どういう職歴であるか、職歴の良し悪しについては1ミリも関係ありません。
専門学校?派遣社員?アルバイト?そんな人ゴロゴロ入社しています。むしろ、高学歴・高職歴な人は、そもそもCAを志望しません。いたとしてもほんの一握り。
だからそんなことで自分の可能性を狭めないでください。こういう職歴の良し悪しに関してメッセージを頂くことが多いので、ここで敢えて触れましたが、ここだけはガチ。
新卒では学歴も見ていません。下手したら、自分から言わない限り面接官は学歴を知りませんから。

出戻りケースはさらに厳しい目で見られる

今回の既卒採用で最もネガティブな印象を抱かれるのは、出戻りというケース。

出戻りケースは2つあって、

例えば、
①ANAグループ会社から他企業へ転職し、その後ANAのCA既卒採用に応募
②JALグループのCAから一般企業に転職(職種変更)し、その後ANAのCA既卒採用に応募

要は、職種は関係なく元々新卒で勤務していた会社に戻ること、若しくは、新卒でCAに入社し、数年で他の企業へ職種変更したにも関わらず、またCAとして志望すること。元の職種に戻ることを指します。

個人的に思うことは、これは特に厳しい。余程の理由がない限り、若しくは、傑出した容姿や能力がない限り、本当に厳しい。
私も今回何名か見かけましたが、全員落としました。ESを見た瞬間、非常にネガティブな印象を抱いてしまい、そのことについてちゃんと説明してもらえない、或いは何を言っているのかわからなかったので落としました。
どれだけ自己PRやCAとして適性があると思われる方でも私は落とします。ここはそれぐらいプライオリティが高い部分。どれだけ優秀な人材であっても、すぐに辞められるリスクが高い人を採用することは絶対にしません。

今の仕事が大変、その一時の苦しさから逃げることは簡単ですが、それが許されるのは一度まで。
安易な気持ちでそんなことを何度も繰り返していると、その後の自分の人生におけるチャンスを逃すことになります。更生したから!とどれだけ叫んだところで、周囲にとってはオオカミ少年にしか見えません。
そうならないためにも、安易な転職は控えましょう。そしてミスマッチがないように、CAという仕事をしっかり勉強してください。CAは確かに華のある職種ですが、一方で離職率が高くとても大変な職種ですから…

ちょっとした小話

転職回数が多くても大丈夫!とか言っているのをよく見ますが、それは真っ赤な嘘。
大丈夫なわけがない。そんなことを気にせず採用するなんて、余程のブラック企業。そんな人でさえも採用しなければ会社が回らない、そんな程度の企業です。

そんな企業、入りたいですか?

私がお話ししているのは、そんな零細企業に入るためのものではありません。あくまでJAL/ANAへの転職。

日系エアラインと言えば、JAL/ANAどちらか、この二社と他では雲泥の差がありますんで、入るなら絶対にどちらかです(勿論グループ会社でも良いと思います)
そのレベルを目指さないのであれば、何回転職していようが気にすることはありません。

JAL/ANAに入りたい人なんて、世の中に五万といます。
そんな中でなぜ敢えて再び転職するリスクの高い人を採用するメリットがあるのか、そこは絶対に説明する必要があります。
確かに、こんなことで断念するのは勿体ないので、考えても仕方がない!という意味で「転職回数は関係ない!」というのはありますが。

転職回数が多い人の対策はまた別途話しますのでお待ちください。

まとめ

・職歴の良し悪しは一切関係なし。気を付けるべきは、転職回数の多さ。
・転職の多い人は、自分が面接官の立場になって考え、納得できる理由を考えよう。オオカミ少年と思われないように。
・転職回数は関係なし!は真っ赤な嘘。目指すレベルが高いのであれば対策は必須

振り返り⑤:CAになりたいというこだわりが弱い

CAの採用面接では容姿と適性があれば、ある程度のところまで進めます。
でもCAの採用って、実は最終面接でガッツリ落とすんですよね。その理由は、本当にCAになりたいという意志の強さを大事にしているから。
1次や2次でもその点はもちろん見ているのですが、元々最終面接って、本当にウチの会社が第一志望か、合格を出したら辞退せず入社してもらえるか、そういう意思確認的な要素が強い。

メディアで内定辞退率に関するデータ云々の報道が取り上げられていますが、それだけ企業はここを深刻に考えているという証拠で、合格を出して辞退されるダメージってかなり大きいんですよね。
だから本当に来てもらえそうな人にしか合格を出さない。面接会場で色々な人が話しかけてくると思いますが、

あれは全部志望度の高さを見ていますので適当に流さないように。

CAのこだわりについては、中々明確な答えが出ない部分と思います。
が、漠然としたことを言いますが、もっともっと考えください。就職・転職は、考えてなんぼ。考えて考えて考えまくることが本当に大事。小手先で良いことを言おうとせず、どれだけ考えたか、どれだけ思慮深くなれるかがとても大事です。なぜCAか、なぜCAじゃなければ自分のやりたいことは実現出来ないのか、なぜツアコンじゃダメなのか、あらゆる角度で時間を掛けて考えてください。
経験上、最終的には結果無駄になりますが、その経験、考えた時間は無駄にはなりません。

どれだけ考え抜いたか、それは面接の咄嗟の対応に現れます。これは散々面接をしてきた者の経験談。

まとめ

面接は何を聞かれるかわかりません。面接官は何を質問しろとか、特に指示されておらず、面接官が気になったことを聞く、以上、ただそれだけ。
何を聞かれるかわからない、そんな状況で受験生が出来ることは、ただただ準備することだけ。あらゆる想定問答を頭に入れておくに越したことはありませんが、
最も大事なことは、繰り返しますが、自分をどうアピールするかについて準備しておけるかどうか。しかも、それは自分本位ではなく、相手にとってメリットがあるかという視点で考えることです。

だから面接で求められる能力は、自分の考えを整理して話す能力、瞬発力(頭の回転)、この2点。

自分の考えを整理して話す能力、実は経験のある人でもちゃんと出来る人は中々いません。
それぐらい難しいことではあるんですが、皆さんには、準備するための時間があります。
だから、勿論あらゆる想定問答を頭に入れおくことも悪いわけではないですが、キリがないので、それよりも自分がアピールすべき内容を相手にわかりやすく伝えられるか、そのための準備にもっと時間を割いてください。
そしてそれを実践で練習してください。

万が一、思いもよらない突飛な質問が来たら、「30秒ください」と言って考えてもらって結構(最もダメなのは、何も言わずに沈黙の時間が流れること)
わからなければ思い切ってわからないということも正解になることだってあります(事実、私は新卒のとき、商社の面接で人事の方から、はっきりわからないと答え事が素直に感じたし、好印象だったと言われました)
しっかり準備し、考える癖を身に付け、実践で練習して面接慣れしておけば、いつのまにか突飛な質問にも対応出来るようになるはずです。
限りある時間の使い道はあなた自身。どう使うかによって、合否は分かれます。

以上、2度に分けて今回の既卒採用を振り返りましたが、実際に面接官として担当し、特に気になる部分をレビューしました。
最後にもう一度繰り返しますが、面接で求められる能力は、自分の考えを整理して話す能力、瞬発力、この二点。
そしてその能力を養うためには、自分で考えて準備すること、たくさん実践を積んで面接慣れすること、この二点。

皆さんはこれまでお話しした内容を反面教師と思って、次のチャンスに向けて自己分析と準備を進めてください。
そして次があると思わないこと。ラストチャンスと思ってチャレンジしてください。

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